🎯 結論(先に要点)
行政書士は、役所(官公署)に出す書類や契約書などを作り、その提出を代理する仕事です。司法書士は、登記の手続の代理と、法務局・裁判所に出す書類の作成が中心です(行政書士法第1条の3・第1条の4、司法書士法第3条)。合格率は令和7年度で行政書士14.54%、司法書士5.21%です。どちらも受験資格はありません。

仕事も試験も、何が違うんですか?

行政書士は役所の書類、司法書士は登記と裁判所の書類が中心です。
法律の条文と公表データで比べていきます。
この記事の監修:現役行政書士(2018年開業・社会保険労務士試験合格)
行政書士試験は2回目、社会保険労務士試験は3回目で、どちらもフォーサイトの通信講座で合格しました。
監修者の経歴と受験の実体験はフリーターから行政書士になるまでの実話に書いています。
この記事でわかること
- 仕事の範囲の違い(法律の条文から)
- 会社設立・相続での分担の例
- 試験の違い(試験日・配点・合格の基準)
- 合格率の違い(直近5年の公表値)
- どちらを選ぶかの考え方
行政書士と司法書士は、どちらも「書類を作る法律の専門家」です。
ただ、作れる書類と、代わりに行える手続が法律で分かれています。
この記事では、法律の条文と、試験を実施する機関の公表資料だけで違いを説明します。
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仕事の違い:役所の書類か、登記と裁判所の書類か

| 項目 | 行政書士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 行政書士法 第1条の3・第1条の4 | 司法書士法 第3条 |
| 作る書類 | 官公署に出す書類、権利義務・事実証明に関する書類(契約書など) | 法務局に出す書類、裁判所・検察庁に出す書類 |
| 代理できる手続 | 作った書類を官公署に出す手続、許認可の不服申立て(特定行政書士) | 登記・供託の手続、簡易裁判所の訴訟など(認定司法書士・140万円以下) |
| できないこと | 他の法律で制限されている書類の作成(第1条の3第2項) | 登記・裁判所の書類以外の役所の手続は、司法書士の業務に含まれない |
行政書士の仕事は、役所に出す許可の申請書や、契約書などの書類を作ることです(行政書士法第1条の3)。
作った書類を役所に出す手続の代理もできます(同法第1条の4)。
司法書士の仕事は、不動産や会社の登記の手続を代理することが中心です(司法書士法第3条)。
法務局や裁判所に出す書類の作成もできます。
研修を終えて認定を受けた司法書士は、140万円以下の簡易裁判所の訴訟などで代理もできます(同条第2項、裁判所法第33条)。
🎬 動画で見る:行政書士と司法書士の違い
仕事の範囲(条文)と、試験日程・手数料を公式資料で比べた内容を図で説明しています(再生すると音声が流れます)。
当サイト運営者のYouTubeチャンネル「シカクのミカタ」の動画です(説明欄の記事リンクには広告を含みます)。
分担の例:会社設立と相続
| 場面 | 行政書士の業務になるもの | 司法書士の業務になるもの |
|---|---|---|
| 会社設立 | 定款の作成、設立後の許可の申請(建設業許可など) | 設立の登記 |
| 相続 | 遺産分割協議書の作成、自動車の名義変更など役所の手続 | 不動産の相続登記(2024年4月1日から申請が義務) |
会社をつくるときは、定款は行政書士、登記は司法書士と、仕事が分かれる場面があります。
相続では、不動産の名義を変える相続登記が司法書士の業務です。
相続人どうしで争いになっている場合の交渉は、どちらの資格でもできません。
その場合は弁護士の仕事になります(弁護士法第72条)。
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試験の違い:試験日・配点・合格の基準
| 項目 | 行政書士(令和8年度) | 司法書士(令和8年度) |
|---|---|---|
| 受験資格 | なし | なし |
| 試験日 | 11月8日(日)13時〜16時 | 筆記7月5日(日)午前9時30分〜11時30分・午後1時〜4時/口述10月13日 |
| 出題 | 5肢択一式54問・多肢選択式3問・記述式3問 | 午前:択一式35問/午後:択一式35問・記述式2問 |
| 満点 | 300点 | 350点(令和6年度から。記述式140点) |
| 合格の基準 | 法令等122点・基礎知識24点・全体180点をすべて満たす | 午前・午後の択一式と記述式のそれぞれの基準点+合計の合格点(令和7年度は255点) |
| 合格発表 | 2027年1月27日 | 筆記10月1日・最終11月5日 |
| 受験手数料 | 10,400円 | 収入印紙で納付(額は法務省の受験案内で確認) |
行政書士試験は1日・3時間で終わります。
司法書士試験は筆記が午前と午後の2回で、筆記に受かると口述試験があります。
司法書士試験は、令和6年度から記述式の配点が70点から140点に増え、満点が350点になりました。
令和8年度の択一式の基準点は、午前105点中84点、午後105点中75点でした(法務省)。
行政書士試験の3つの基準点は、行政書士試験の難易度でくわしく説明しています。
合格率の違い:令和7年度は14.54%と5.21%

| 年度 | 行政書士(受験者/合格者) | 行政書士の合格率 | 司法書士(受験者/合格者) | 司法書士の合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 47,870人/5,353人 | 11.18% | 11,925人/613人 | 5.14% |
| 令和4年度 | 47,850人/5,802人 | 12.13% | 12,727人/660人 | 5.19% |
| 令和5年度 | 46,991人/6,571人 | 13.98% | 13,372人/695人 | 5.20% |
| 令和6年度 | 47,785人/6,165人 | 12.90% | 13,960人/737人 | 5.28% |
| 令和7年度 | 50,163人/7,292人 | 14.54% | 14,418人/751人 | 5.21% |
直近5年の合格率は、行政書士が11〜15%前後、司法書士が5%台です。
ただし、受ける人の集団も試験の仕組みも違うので、合格率だけで「何倍むずかしい」とは言えません。
令和8年度の司法書士試験は14,960人が受験し、最終合格の発表は11月5日です。
行政書士の合格率の10年分は、行政書士試験の合格率推移にまとめています。
勉強の違い:共通する科目と、それぞれだけの科目
| 区分 | 科目 |
|---|---|
| 両方にある科目 | 憲法・民法・商法(会社法) |
| 行政書士だけ | 行政法(行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法)、基礎法学、基礎知識 |
| 司法書士だけ | 刑法、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法・民事保全法・民事執行法、供託法、司法書士法 |
民法は両方の試験の中心です。
行政書士は行政法、司法書士は不動産登記法と商業登記法の比重が大きくなります。
勉強時間の公的な統計は、どちらの試験にもありません。
よく見る「何百時間・何千時間」という目安は出典を確かめられないため、この記事では使っていません。
1日の時間×期間で合計を出し、過去問の点数で足りているかを確かめるのが確実です。
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対象講座・受け取り条件(合格体験記の提出など)は公式サイトの「合格特典」ページで確認してください。
運営者の実体験:行政書士試験は2回目で合格

司法書士試験は受けていないので、ここでは行政書士の側だけをお話しします。
市販のテキストで独学を始めて挫折し、フォーサイトの通信講座に切り替えました。
1回目は勉強を始めてから試験まで9か月ほどで、勉強不足で不合格でした。
勉強時間は1日4時間ほどでした。
苦手だったのは一般知識(今の基礎知識)で、政治・経済の本を読んで補いました。
開業してからは、役所に出す許可の申請書を作る仕事をしています。
🎬 動画で見る:行政書士試験に1回落ちた話
独学で挫折してから通信講座に切り替え、1回目に落ちて2回目で合格するまでを話しています。
当サイト運営者のYouTubeチャンネル「シカクのミカタ」の動画です(説明欄の記事リンクには広告を含みます)。
※運営者本人の体験です(動画の声は合成音声)。
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どちらを選ぶか:やりたい仕事で決める
| やりたいこと | 合う資格 |
|---|---|
| 許可の申請など、役所の手続や契約書づくりに関わりたい | 行政書士 |
| 不動産や会社の登記、裁判所に出す書類に関わりたい | 司法書士 |
| 両方の仕事をしたい | 両方の試験に合格し、両方に登録する |
どちらが上ということはなく、扱う手続が違う別の資格です。
仕事を始めるには、行政書士は日本行政書士会連合会、司法書士は日本司法書士会連合会の名簿への登録が必要です。
司法書士の資格だけでは、行政書士の業務はできません(行政書士法第19条)。
ほかの資格との比べ方は、行政書士と社労士の違いや行政書士と他資格の比較にまとめています。
行政書士と司法書士の違いについてよくある質問
A. 行政書士は、官公署に出す書類や契約書などの作成と、その書類を官公署に出す手続の代理が仕事です(行政書士法第1条の3・第1条の4)。司法書士は、登記・供託の手続の代理と、法務局・裁判所に出す書類の作成などが仕事です(司法書士法第3条)。
A. 合格率は令和7年度で行政書士14.54%、司法書士5.21%です。司法書士は満点350点で、午前・午後の択一式と記述式のそれぞれに基準点があり、試験時間も長くなります。勉強時間の公的な統計は、どちらにもありません。
A. できません。行政書士でない人は、報酬を得て行政書士の業務をすることができません(行政書士法第19条)。両方の仕事をするには、両方の登録が必要です。
A. 設立の登記の申請は司法書士の業務です(司法書士法第3条)。定款の作成は、行政書士が作成できる「権利義務に関する書類」に入ります(行政書士法第1条の3)。
A. どちらの試験にも、年齢・学歴などの受験資格はありません。
A. 運営者は行政書士です。行政書士試験に2回目で合格し、2018年に開業しました。司法書士試験は受けていません。
まとめ|扱う書類と手続が違う、別々の資格
行政書士は役所に出す書類と契約書など、司法書士は登記と裁判所に出す書類が中心です。
合格率は令和7年度で行政書士14.54%、司法書士5.21%で、配点や試験の形も違います。
どちらを選ぶかは、合格率よりも「どの仕事をしたいか」で考えるのがおすすめです。
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📚 この記事の出典
- e-Gov法令検索:行政書士法(第1条の3・第1条の4・第19条)、司法書士法(第3条)、裁判所法(第33条)、不動産登記法(第76条の2)、弁護士法(第72条)
- 行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」「令和7年度合否判定基準」、令和8年度試験案内
- 法務省「令和8年度司法書士試験受験案内書」「令和8年度司法書士試験筆記試験の多肢択一式問題についての基準点等」、各年度「司法書士試験の最終結果」
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