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行政書士試験の国家賠償法対策|1条・2条の要件と判例の結論

行政書士試験の国家賠償法対策|1条・2条と判例の結論 行政書士試験

🎯 結論(先に要点)

国家賠償法は、令和7年度に5肢択一式で2問(8点)出ました。
条文は6条しかなく、問われるのはほとんどが判例です。
1条(公務員の行為)と2条(道路などの設置・管理)の判例の結論を押さえるのが近道です。

受験生

受験生
国家賠償法は条文が短いのに、判例問題になると全然解けません。
何から覚えればいいですか?

行政書士

行政書士
まず1条と2条の要件を表で整理しましょう。
そのうえで、よく出る判例の「結論」だけを一覧で覚えれば、2問は十分に狙えます。
✍️ この記事を書いた人
行政書士(2018年11月開業)。自身も行政書士試験を受験して合格しました。
出題数と正解は公式の試験問題、内容は国家賠償法の条文と最高裁判例で確認しています。

この記事でわかること

  • 国家賠償法の出題数(令和7年度の公式問題)
  • 全6条の中身
  • 1条責任と2条責任の要件の違い
  • 判例の結論の覚え方

国家賠償法は、国や公共団体が与えた損害を賠償する責任を定めた法律です。

 

条文はわずか6条ですが、判例がたくさんあります。

 

この記事では、公式資料と判例をもとに、判例の押さえ方を整理します。

 

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国家賠償法は何問出る?(令和7年度)

問題 テーマ 公式の正解
問題20 国家賠償法1条(判例) 4(イ・エ)
問題21 国家賠償法全般(判例) 4
国家賠償法1条の責任が成立する要件の流れと公務員個人の責任・求償
国家賠償法1条の責任が成立するまでの流れ(国家賠償法1条と最高裁判所の判例から作成)

5肢択一式は1問4点なので、2問で8点です。

 

2問とも「最高裁判所の判例に照らし」と書かれた、判例の問題でした。

 

全6条の中身

条 内容
1条 公務員が職務で違法に損害を与えたときの国・公共団体の責任
2条 道路・河川などの設置や管理に欠陥があったときの責任
3条 費用を負担する者も責任を負うこと
4条 この法律にないことは民法による
5条 ほかの法律に別の定めがあればそちらによる
6条 外国人が被害者の場合は、相互の保証があるときに限る

試験の中心は、1条と2条です。

 

1条責任と2条責任の比較

比べる点 1条(公権力の行使) 2条(営造物の設置・管理)
対象 公務員の職務上の行為 道路・河川・建物などの公の営造物
過失 故意または過失が必要 過失は不要(設置・管理に欠陥があればよい)
公務員個人への請求 被害者は公務員個人に直接請求できない(判例) —
国などからの求償 公務員に故意・重大な過失があるときにできる 損害の原因に責任のある者にできる

2条の責任は、過失がなくても成立する点が大きな違いです。

 

道路に穴があいていて事故が起きた場合などが典型です。

 

1条の要件を判例で押さえる

要件 判例のポイント
公権力の行使 権力的な行為だけでなく、行政指導や学校の教育活動などの非権力的な行為も含まれる
職務を行うについて 本人に職務の意思がなくても、外から見て職務の行為に見えれば含まれる(外形標準説)
故意・過失 法律の解釈に争いがあり、どちらにも相当の根拠があるなら、一方の解釈に従っても過失はないとされることがある
公務員個人の責任 被害者に対して、公務員個人は直接の責任を負わない

「外形標準説」は、制服の警察官が私的な目的で違法な行為をした事件で示された考え方です。

 

見た目が職務なら、被害者を保護するために国などが責任を負います。

 

2条・3条の判例のポイント

2条の「設置又は管理の瑕疵」とは、営造物が通常持つべき安全性を欠いていることをいいます。

 

3条の「費用の負担者」には、法律上の負担義務がある者も含まれます。

 

さらに、それと同等かそれに近い費用を負担する者も含まれます。

 

実質的に事業を共同で行っていると認められる者が、これに当たります。

 

よく出る判例の結論一覧

判例は、事件名と結論をセットで覚えるのが効率的です。

 

判例 結論
川崎駅事件(最判昭和31年11月30日) 私的目的でも、外形上職務なら国などが責任を負う
公務員個人の責任(最判昭和30年4月19日) 公務員個人は被害者に直接の責任を負わない
高知落石事件(最判昭和45年8月20日) 道路の管理の瑕疵は過失不要。予算がないことは免責の理由にならない
大東水害訴訟(最判昭和59年1月26日) 未改修の河川は、道路と同じ基準では判断しない
在宅投票制度廃止事件(最判昭和60年11月21日) 国会議員の立法行為が違法とされるのは、ごく例外的な場合に限られる

道路と河川で判断の基準が違う点は、2条の問題でよく狙われます。

 

河川はもともと自然の中にあり、改修に時間と費用がかかるためです。

 

直前期の優先順位

順番 やること
1 全6条と、1条・2条の比較表を覚える
2 1条の要件ごとの判例(外形標準説など)を結論で覚える
3 求償(故意・重大な過失)と、公務員個人の責任を確認する
4 過去問で、2条・3条の判例を確認する

⚠️ 判例の「逆」に注意

国家賠償法の選択肢は、判例の結論をひっくり返して誤りにする形が多いです。
「責任が成立する・しない」の結論を正確に覚えておきましょう。

行政法のほかの個別の法律は、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・地方自治法の記事で解説しています。

 

行政法全体の勉強法は、行政書士の行政法勉強法も参考にしてください。

 

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過去の問題で確認する

国家賠償法の問題は、行政書士試験研究センターが公式PDFで公開しています。

 

年度ごとの問題と正解は、令和2〜7年度の過去問PDFと正解の一覧から開けます。

 

条文で確認する国家賠償法のオリジナル問題(5問)

当サイトが条文から作った確認問題です。行政書士試験の過去問ではありません。

 

国家賠償法の条文だけで、○か×かが決まる文を5つ用意しました。

 

答えを開く前に、自分で○×を決めてから確かめてください。

 

第1問(1条1項の責任の主体)

次の文は、○か×か。

 

国家賠償法第1条第1項で、賠償する責任を負うと定められているのは、国または公共団体である。

 

答えと解説を見る

答え:○

根拠:国家賠償法 第1条第1項「国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」

条文上、賠償の責任を負う主体は「国又は公共団体」です。

 

第2問(公務員への求償)

次の文は、○か×か。

 

国または公共団体は、公務員に軽い過失があったにとどまる場合でも、その公務員に対して求償権を有すると定められている。

 

答えと解説を見る

答え:×

根拠:国家賠償法 第1条第2項「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」

求償できるのは「故意又は重大な過失」があったときです。

「軽い過失」を「重大な過失」に直せば正しい文になります。

 

第3問(2条1項の文言)

次の文は、○か×か。

 

国家賠償法第2条第1項の条文には、「故意又は過失」という言葉は書かれていない。

 

答えと解説を見る

答え:○

根拠:国家賠償法 第2条第1項「公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは」

根拠:国家賠償法 第1条第1項「故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは」

第2条第1項の要件は「設置又は管理に瑕疵があつた」ことです。

第1条第1項の「故意又は過失によつて」と並べて読むと違いがわかります。

 

第4問(費用負担者の責任)

次の文は、○か×か。

 

公の営造物を管理する者と、その費用を負担する者が異なるとき、費用を負担する者は賠償の責任を負わないと定められている。

 

答えと解説を見る

答え:×

根拠:国家賠償法 第3条第1項「費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる」

費用を負担する者も、賠償の責任を負います。

「責任を負わない」を「責任を負う」に直せば正しい文になります。

 

第5問(外国人が被害者の場合)

次の文は、○か×か。

 

外国人が被害者である場合、国家賠償法は、相互の保証があるときに限って適用される。

 

答えと解説を見る

答え:○

根拠:国家賠償法 第6条「外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する」

「相互の保証があるときに限り」という限定が条文に書かれています。

 

条文は改正されることがあります。

 

最新の条文は、e-Gov法令検索で確認してください。

 

よくある質問

Q1. 国家賠償法は何問出ますか?

令和7年度は、5肢択一式で2問(問題20・21)でした。

 

Q2. 2条の責任に過失は必要ですか?

必要ありません。

 

営造物の設置・管理に欠陥があれば、過失がなくても責任が成立します。

 

Q3. 被害者は公務員個人に賠償を請求できますか?

判例では、公務員個人は被害者に対して直接の責任を負わないとされています。

 

Q4. 国は公務員に求償できますか?

公務員に故意または重大な過失があったときに求償できます。

 

Q5. 私的な目的の違法行為でも国の責任になりますか?

外から見て職務の行為に見えれば、国などが責任を負うとするのが判例です(外形標準説)。

 

まとめ:6条の条文と判例の結論で8点を取る

✅ この記事のポイント

  • 令和7年度は5肢択一式で2問(8点)、どちらも判例の問題
  • 1条は故意・過失が必要、2条は過失不要
  • 「公権力の行使」は非権力的な行為も含む
  • 私的目的でも外形が職務なら責任が成立する
  • 公務員個人は被害者に直接責任を負わない。求償は故意・重大な過失のとき

国家賠償法は、条文が少ないぶん、判例の結論を覚えれば得点しやすい分野です。

 

表で整理して、過去問で判例の結論を確認しましょう。

 

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