🎯 結論(先に要点)
地方自治法は、行政法の一部として出題されます。
令和7年度は5肢択一式で3問(12点)、さらに多肢選択式1問も条例がテーマでした。
頻出は「条例」「長と議会」「国の関与」「直接請求」「住民監査請求・住民訴訟」です。

直前期でも間に合いますか?

数字と手続きの流れを表で覚えると、短期間でも点になります。
令和7年度の出題数から、優先順位を整理しますね。
行政書士(2018年11月開業)。自身も行政書士試験を受験して合格しました。
出題数は公式の試験問題、数字は地方自治法の条文で確認しています。
この記事でわかること
- 地方自治法の出題数と配点(令和7年度の公式問題)
- 頻出5分野と、覚えるべき数字
- 直接請求の署名数と請求先の一覧表
- 住民監査請求と住民訴訟の違い
- 直前期の優先順位
地方自治法は、行政法の中でも条文の量が多い分野です。
ただし、試験で問われる論点はある程度くり返されています。
この記事では、公式の出題数をもとに優先順位をつけて整理します。
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地方自治法は何問出る?(令和7年度の実際)
行政書士試験研究センターの「試験の概要」では、地方自治法は行政法の中心分野の一つとして挙げられています。
令和7年度の公式問題で、地方自治法に関する出題を数えました。
| 問題 | 形式 | テーマ | 公式の正解 |
|---|---|---|---|
| 問題22 | 5肢択一式 | 条例の適法性(判例) | 5 |
| 問題23 | 5肢択一式 | 都道府県における知事と議会の関係 | 2 |
| 問題24 | 5肢択一式 | 国・都道府県の普通地方公共団体への関与 | 2 |
| 問題42 | 多肢選択式 | 条例が国の法令に違反するかの判断(判例) | ア3・イ6・ウ19・エ16 |

5肢択一式は1問4点なので、3問で12点です。
多肢選択式の問題42も合わせると、最大20点分が地方自治法の知識に関わっていました。
✅ ここがポイント
地方自治法は「捨て科目」にするには配点が大きい分野です。
行政法の得点を安定させるために、頻出分野だけは押さえておきましょう。
頻出5分野と優先順位
| 優先 | 分野 | 押さえること |
|---|---|---|
| 1 | 条例 | 法令との関係(判例)・条例で定められること |
| 2 | 長と議会の関係 | 再議・専決処分・不信任議決と解散 |
| 3 | 国・都道府県の関与 | 自治事務と法定受託事務で使える関与の違い |
| 4 | 直接請求 | 署名数と請求先(表で暗記) |
| 5 | 住民監査請求・住民訴訟 | 請求できる人・期間・監査請求の前置 |
令和7年度は、このうち1〜3がそのまま出題されました。
4と5は数字と手続きで問われやすく、覚えれば得点しやすい分野です。
分野1:条例(判例とセットで覚える)
条例は、判例とセットで出題されやすい分野です。
令和7年度も、問題22と問題42の2問が条例に関する判例でした。
中心になるのは、条例が国の法令に違反するかどうかの判断基準です。
最高裁(最大判昭和50年9月10日)は、この判断の基準を示しました。
対象事項と規定文言だけでなく、趣旨・目的・内容・効果を比べます。
そのうえで、両者に矛盾抵触があるかどうかで判断します。
行政事件訴訟法(令和7年度は5肢択一3問)の対策:訴訟の種類・出訴期間・処分性をまとめた記事はこちら
分野2:長と議会の関係
令和7年度の問題23は、知事と議会の関係がテーマでした。
長と議会がぶつかったときの仕組みは、次の3つを区別して覚えます。
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 再議 | 長が議会の議決に異議があるとき、もう一度審議させる |
| 専決処分 | 議会が議決すべきことを、一定の場合に長が代わって処分する |
| 不信任議決と解散 | 議会が長の不信任を議決したとき、長は議会を解散できる |
専決処分には、議会を開く時間がないときなどの場合と、議会があらかじめ委任した軽い事項の場合があります。
どちらの場合かで、議会への報告や承認の扱いが変わる点が狙われます。
分野3:国・都道府県の関与
令和7年度の問題24は、国や都道府県の関与がテーマでした。
関与は、事務の種類によって使える手段が違う点がポイントです。
| 事務の種類 | 主な関与 |
|---|---|
| 自治事務 | 是正の要求など |
| 法定受託事務 | 是正の指示・代執行など |
自治事務は地方公共団体の自主性が尊重されるため、関与は弱めです。
法定受託事務は国の役割にかかわるため、より強い関与が認められています。
どの手段がどちらの事務に使えるかを、表で整理しておきましょう。
分野4:直接請求(数字を表で覚える)
直接請求は、住民が一定数の署名を集めて請求する制度です。
署名数と請求先の組み合わせが、そのまま問われます。
| 請求の種類 | 必要な署名 | 請求先 |
|---|---|---|
| 条例の制定・改廃 | 有権者の50分の1以上 | 長 |
| 事務の監査 | 有権者の50分の1以上 | 監査委員 |
| 議会の解散 | 有権者の3分の1以上(大きな団体は緩和あり) | 選挙管理委員会 |
| 議員・長の解職 | 有権者の3分の1以上(大きな団体は緩和あり) | 選挙管理委員会 |
「50分の1」は条例と監査、「3分の1」は解散と解職、と2つに分けると覚えやすくなります。
有権者が多い団体では、3分の1の要件が軽くなる特例があります。
細かい数字は、地方自治法の第74条以下の条文で確認してください。
分野5:住民監査請求と住民訴訟
住民監査請求と住民訴訟は、違いを比べて問われる分野です。
| 比べる点 | 住民監査請求 | 住民訴訟 |
|---|---|---|
| できる人 | 住民(1人でもできる) | 住民監査請求をした住民 |
| 相手 | 監査委員 | 裁判所 |
| 前提 | — | 先に住民監査請求をしていること |
住民訴訟は、先に住民監査請求をしていないと起こせません。
これを「監査請求前置」といいます。
また、住民監査請求は、原則として財務会計上の行為があった日から1年以内にする必要があります。
直接請求と違い、1人でも請求できる点も押さえておきましょう。
直前期の勉強法
11月8日の試験まで、地方自治法に使える時間は限られています。
次の順番で進めるのがおすすめです。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 直接請求と住民監査請求・住民訴訟の表を覚える |
| 2 | 過去問で、条例と関与の問題を解く |
| 3 | 長と議会の3つの仕組みの違いを説明できるようにする |
⚠️ 深追いは禁物
地方自治法の条文をすべて読むのは、直前期には現実的ではありません。
頻出分野に絞り、残りの時間は行政手続法・行政事件訴訟法など配点の大きい分野に回しましょう。
行政法全体の優先順位は、行政書士の行政法勉強法で解説しています。
時間配分は、行政書士試験の時間配分も参考にしてください。
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過去の問題で確認する
地方自治法の問題は、行政書士試験研究センターが公式PDFで公開しています。
年度ごとの問題と正解は、令和2〜7年度の過去問PDFと正解の一覧から開けます。
条文で確認する地方自治法のオリジナル問題(5問)
当サイトが条文から作った確認問題です。行政書士試験の過去問ではありません。
地方自治法の条文だけで、○か×かが決まる文を5つ用意しました。
答えを開く前に、自分で○×を決めてから確かめてください。
第1問(条例の制定・改廃の請求)
次の文は、○か×か。
条例の制定または改廃の請求は、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署をもって、普通地方公共団体の長に対して行う。
答えと解説を見る
答え:○
根拠:地方自治法 第74条第1項「その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し」
数字は「五十分の一」、請求先は「長」です。
地方税の賦課徴収などに関する条例は、同じ項のかっこ書で除かれています。
第2問(事務の監査の請求)
次の文は、○か×か。
事務の監査の請求は、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署をもって、普通地方公共団体の長に対して行う。
答えと解説を見る
答え:×
根拠:地方自治法 第75条第1項「その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し」
数字は合っていますが、請求先は「監査委員」です。
「長に対して」を「監査委員に対して」に直せば正しい文になります。
第3問(議会の解散の請求)
次の文は、○か×か。
選挙権を有する者の総数が40万以下の場合、議会の解散の請求は、その総数の3分の1以上の連署をもって、選挙管理委員会に対して行う。
答えと解説を見る
答え:○
根拠:地方自治法 第76条第1項「その総数の三分の一」「以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し」
請求先は「選挙管理委員会」です。
総数が40万を超える場合の計算は、同じ項のかっこ書に書かれています。
第4問(住民監査請求)
次の文は、○か×か。
住民監査請求(第242条)をするには、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署が必要であると定められている。
答えと解説を見る
答え:×
根拠:地方自治法 第242条第1項「普通地方公共団体の住民は」「監査委員に対し、監査を求め」
第242条第1項の主語は「普通地方公共団体の住民」で、連署の定めはありません。
「50分の1以上の連署が必要」を「連署は必要とされていない」に直せば正しい文になります。
連署が要るのは、第75条の事務の監査の請求です。
第5問(不信任の議決と解散)
次の文は、○か×か。
普通地方公共団体の長は、議会の不信任の議決の通知を受けた日から10日以内に、議会を解散することができる。
答えと解説を見る
答え:○
根拠:地方自治法 第178条第1項「その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる」
条文の数字は「十日以内」です。
起算点は、議長からの通知を「受けた日」です。
条文は改正されることがあります。
最新の条文は、e-Gov法令検索で確認してください。
よくある質問
Q1. 地方自治法は何問出ますか?
令和7年度は、5肢択一式で3問(問題22〜24)でした。
多肢選択式の問題42も条例に関する判例でした。
Q2. 地方自治法は捨ててもいいですか?
おすすめしません。
5肢択一式だけで12点分あり、頻出分野は毎年似た論点が問われます。
Q3. 直接請求の署名数はどう覚えればいいですか?
条例の制定改廃と事務監査は50分の1、議会の解散と議員・長の解職は3分の1、と2つに分けて覚えましょう。
Q4. 住民監査請求と住民訴訟の違いは?
住民監査請求は監査委員に対して1人でもできます。
住民訴訟は裁判所に起こす訴えで、先に住民監査請求をしていることが必要です。
Q5. 過去問はどこで見られますか?
行政書士試験研究センターの公式サイトで、試験問題と正解が公開されています。
まとめ:地方自治法は頻出5分野と数字で得点する
✅ この記事のポイント
- 令和7年度は5肢択一式で3問(12点)、多肢選択式1問も条例がテーマ
- 頻出は条例・長と議会・国の関与・直接請求・住民監査請求と住民訴訟
- 直接請求は「50分の1」と「3分の1」に分けて覚える
- 住民訴訟は住民監査請求を先にしていることが前提
- 直前期は頻出分野に絞り、深追いしない
地方自治法は、出るところを絞れば短期間でも得点につながります。
表で数字と手続きを整理し、過去問で確認しましょう。
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