🎯 結論(先に要点)
行政手続法は、令和7年度に5肢択一式で2問(8点)出ました。
問われたのは「弁明の機会の付与」と「申請に対する処分」です。
「義務」か「努力義務」か、「聴聞」か「弁明」かの区別が得点の分かれ目です。

効率よく覚える方法はありますか?

聴聞と弁明の違いも、表で比べれば一気に整理できます。
行政書士(2018年11月開業)。自身も行政書士試験を受験して合格しました。
出題数と正解は公式の試験問題、内容は行政手続法の条文で確認しています。
この記事でわかること
- 行政手続法の出題数(令和7年度の公式問題)
- 申請に対する処分と不利益処分の「義務・努力義務」一覧
- 聴聞と弁明の機会の付与の違い
- 行政指導・届出・意見公募手続のポイント
行政手続法は、行政が処分などをするときのルールを定めた法律です。
条文の数が比較的少なく、覚えた分がそのまま点になりやすい分野です。
この記事では、公式資料と条文をもとに、得点に直結する部分を整理します。
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行政手続法は何問出る?(令和7年度)
| 問題 | テーマ | 公式の正解 |
|---|---|---|
| 問題11 | 弁明の機会の付与 | 1 |
| 問題13 | 申請に対する処分 | 2 |

5肢択一式は1問4点なので、2問で8点です。
どちらも、条文の言葉を正確に覚えていれば解ける問題でした。
法律の全体像
| 章 | 定めていること |
|---|---|
| 申請に対する処分 | 許認可などの申請を受けたときのルール |
| 不利益処分 | 許認可の取消しなど、相手に不利益な処分をするときのルール |
| 行政指導 | 行政が指導・勧告などをするときのルール |
| 届出 | 届出が届いたときの扱い |
| 意見公募手続 | 命令などを定めるときに、広く意見を募る手続 |
試験の中心は、申請に対する処分と不利益処分です。
「義務」と「努力義務」の一覧表
ここが行政手続法で最も点になる部分です。
| 場面 | ルール | 義務の強さ |
|---|---|---|
| 申請に対する処分 | 審査基準を定める | 義務 |
| 申請に対する処分 | 審査基準を公にしておく | 義務(特別の支障があるときを除く) |
| 申請に対する処分 | 標準処理期間を定める | 努力義務 |
| 申請に対する処分 | 標準処理期間を定めたら公にする | 義務 |
| 申請に対する処分 | 拒否するときに理由を示す | 義務 |
| 申請に対する処分 | 審査の進み具合や処分の見通しを示す | 努力義務(申請者の求めに応じて) |
| 不利益処分 | 処分基準を定める・公にする | 努力義務 |
| 不利益処分 | 処分をするときに理由を示す | 義務(差し迫った必要がある場合などの例外あり) |
「審査基準は義務、処分基準は努力義務」は、必ず押さえておきたい区別です。
個人情報保護・情報公開(令和7年度は3問)の対策:出題数と押さえる条文をまとめた記事はこちら
申請に対する処分の流れ
申請に対する処分は、次の順番で進みます。
| 段階 | 行政庁がすること |
|---|---|
| 申請の前 | 審査基準を定めて公にする。標準処理期間を定めるよう努める |
| 申請が届いたとき | 遅滞なく審査を始める |
| 形式に不備があるとき | 相当の期間を定めて補正を求めるか、申請を拒否する |
| 審査中 | 求めに応じて、進み具合や見通しを示すよう努める |
| 拒否するとき | 理由を示す(書面で処分するときは書面で) |
申請が届いたのに、受け取らずに返すことは認められていません。
届いた時点で、審査を始める義務があるからです。
聴聞と弁明の機会の付与
不利益処分をするときは、原則として相手の言い分を聞く手続が必要です。
手続には、重い「聴聞」と、軽い「弁明の機会の付与」があります。
| 比べる点 | 聴聞 | 弁明の機会の付与 |
|---|---|---|
| 使われる場面 | 許認可の取消し、資格や地位を奪う処分など | 聴聞にあたらない不利益処分 |
| 方式 | 口頭(期日に審理する) | 原則として書面(弁明書の提出) |
| 代理人 | 選任できる | 選任できる |
| 資料の閲覧 | できる | できない |
| 調書・報告書 | 主宰者が作成する | 作成の規定はない |
聴聞にだけある手続は、資料の閲覧や、調書・報告書の作成です。
💡 申請の拒否は不利益処分ではない
申請を拒否する処分は、行政手続法の「不利益処分」に含まれません。
そのため、申請を拒否するときに聴聞や弁明の機会の付与は必要ありません。
ただし、拒否の理由を示すことは必要です。
行政指導・届出・意見公募手続
行政指導
行政指導は、あくまで相手の任意の協力で実現されるものです。
従わなかったことを理由に、不利益な取扱いをしてはいけません。
法律に違反する事実の是正を求める行政指導については、相手が中止などを求める手続もあります。
届出
届出は、形式上の要件に合っていれば、提出先の機関の事務所に届いたときに義務を果たしたことになります。
意見公募手続
命令などを定めるときは、案を公示して、広く意見を募ります。
意見を出せる期間は、原則として公示の日から30日以上です。
国家賠償法(令和7年度は5肢択一2問)の対策:1条・2条の要件と判例の結論はこちら
直前期の優先順位
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 「義務・努力義務」の一覧表を覚える |
| 2 | 聴聞と弁明の機会の付与の違いを表で覚える |
| 3 | 申請の拒否が不利益処分に当たらないことを確認する |
| 4 | 行政指導・意見公募手続(30日以上)を確認する |
⚠️ 言葉の入れ替えに注意
行政手続法の問題は、「審査基準」と「処分基準」、「聴聞」と「弁明」など、似た言葉を入れ替えて誤りにしてくることが多いです。
どの手続にどのルールがあるかを、表で正確に覚えましょう。
行政救済の2つの法律は、行政不服審査法の対策と行政事件訴訟法の対策で解説しています。
行政法全体の勉強法は、行政書士の行政法勉強法も参考にしてください。
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過去の問題で確認する
行政手続法の問題は、行政書士試験研究センターが公式PDFで公開しています。
年度ごとの問題と正解は、行政書士試験の過去問(公式PDF6年分)のまとめから開けます。
条文で確認する行政手続法のオリジナル問題(5問)
当サイトが条文から作った確認問題です。行政書士試験の過去問ではありません。
行政手続法の条文だけで、○か×かが決まる文を5つ用意しました。
答えを開く前に、自分で○×を決めてから確かめてください。
第1問(処分基準)
次の文は、○か×か。
行政庁は、不利益処分の処分基準を必ず定めなければならないと規定されている。
答えと解説を見る
答え:×
根拠:行政手続法 第12条第1項「処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない」
根拠:行政手続法 第5条第1項「審査基準を定めるものとする」
処分基準を定めることは、条文上「努めなければならない」です。
「必ず定めなければならない」を「定めるよう努めなければならない」に直せば正しい文になります。
審査基準(第5条第1項)は「定めるものとする」で、書き方が違います。
第2問(標準処理期間)
次の文は、○か×か。
標準処理期間は、定めるよう努めるものであり、定めたときは公にしておかなければならない。
答えと解説を見る
答え:○
根拠:行政手続法 第6条「定めるよう努めるとともに、これを定めたときは」「適当な方法により公にしておかなければならない」
定めることは努力義務、定めたあとに公にすることは義務です。
第3問(申請に対する審査の開始)
次の文は、○か×か。
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく審査を開始しなければならない。
答えと解説を見る
答え:○
根拠:行政手続法 第7条「申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず」
審査を始める時点は、申請が事務所に「到達したとき」です。
第4問(聴聞と弁明の機会の付与)
次の文は、○か×か。
許認可等を取り消す不利益処分をしようとするときは、原則として、弁明の機会の付与の手続を執ると定められている。
答えと解説を見る
答え:×
根拠:行政手続法 第13条第1項第1号イ「許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき」
この場合は、第13条第1項第1号で「聴聞」の区分に入ります。
「弁明の機会の付与」を「聴聞」に直せば正しい文になります。
弁明の機会の付与は、第1号のどれにも当たらないとき(同項第2号)の手続です。
第5問(意見公募手続の期間)
次の文は、○か×か。
意見公募手続の意見提出期間は、公示の日から起算して20日以上でなければならないと定められている。
答えと解説を見る
答え:×
根拠:行政手続法 第39条第3項「公示の日から起算して三十日以上でなければならない」
条文の数字は「三十日以上」です。
「20日以上」を「30日以上」に直せば正しい文になります。
条文は改正されることがあります。
最新の条文は、e-Gov法令検索で確認してください。
よくある質問
Q1. 行政手続法は何問出ますか?
令和7年度は、5肢択一式で2問(問題11・13)でした。
Q2. 審査基準と処分基準の違いは?
審査基準は申請に対する処分の基準で、定めることが義務です。
処分基準は不利益処分の基準で、定めることは努力義務です。
Q3. 聴聞と弁明の機会の付与の違いは?
聴聞は口頭で行う重い手続で、資料の閲覧などがあります。
弁明の機会の付与は原則として書面で行う軽い手続です。
Q4. 申請を拒否するとき、聴聞は必要ですか?
必要ありません。
申請の拒否は不利益処分に含まれないためです。
ただし、理由を示す必要はあります。
Q5. 意見公募手続の期間は?
原則として、公示の日から30日以上です。
まとめ:表で「義務」と「手続」を区別する
✅ この記事のポイント
- 令和7年度は5肢択一式で2問(8点)
- 審査基準は義務、処分基準は努力義務
- 資料の閲覧・調書と報告書は聴聞だけの手続
- 申請の拒否は不利益処分ではない(聴聞・弁明は不要、理由の提示は必要)
- 意見公募手続は原則30日以上
行政手続法は、表で整理すれば短期間でも点が伸びる分野です。
似た言葉の入れ替えに引っかからないよう、直前期に何度も表を見直しましょう。
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